麹室(こうじむろ)と呼ばれる、室温35℃前後の特殊な部屋で、約48時間かけて蒸したお米に麹菌を繁殖し作られます。
麹は酵母の増殖と発酵のための栄養源であり、日本酒の甘味や旨味のもととなります。
乳酸による酸性環境下で、優良な酵母のみを培養して雑菌の繁殖を防止します。
暖気樽(だきだる)と呼ばれる湯たんぽを使い、
前半は酵母の活動を抑えながらも、酵母の数を増やすという巧みな作業が行われます。
醪の中ではお米が麹の酵素により、デンプンから糖へ変化し(糖化)、その糖を栄養源として酵母がアルコールをつくります(アルコール発酵)。 糖と酵母のバランスが酒質を左右するため、微妙な温度コントロールしていきます。
仕込み後約20日間、吟醸酒では30日前後発酵させた醪を搾ります。搾ったばかりのお酒は、まだ酵母や酵素も残っており、味が常に変化していきます。
また、搾りたては爽やかな香りと味わいが特徴で、この段階で製品になったもの“しぼりたて”や“生酒”といいます。
また、活性酒などのにごり酒は特殊な方法で搾りをおこなったものです。
しぼった新酒は“滓引き(おりびき)”と“ろ過”を行いきれいにした後、加熱殺菌(火入れ)をして貯蔵します。 貯蔵により味に丸みとふくらみが生まれ、新酒には無い味わいに仕上がります。 その後、調合・割水・瓶詰めを経て製品となります。